気軽に借りることができ、自由に利用できるのが大きな魅力であるカードローン。非常に身近になっていますので、一度利用してみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
(⇒カードローンのさらなる魅力について説明)
しかしながらカードローンは申し込んだだけでは利用することは出来ず、カードローン会社の審査に通らないと利用までこぎつくことは出来ません。審査の内容は明かされていることがないため、「これをしておけば審査に通る!」と確実に言えるものはないんです。ですから、とりあえず申し込んでみないと実際借りられるかどうかはわからないんですね。(参考ページはこちら→融資審査基準は本当に分からないの?)
特に、すぐにでもカードローンを利用したいという方であれば「とりあえず申し込みできそうなところに申し込んでみよう!」とついつい目についたカードローンに申し込もうとしてしまうかもしれません…が、それはちょっとまって!
実は、複数のカードローンを一度に申し込みしてしまうと、ぐっと借りられる確率が下がってしまうんです!どうしてそうなってしまうのか?既に申し込んでしまったらもうダメなの?などの疑問にもお答えします。
(⇒カードローンの申し込み前に注意する事)
複数申し込みはなぜ危険?
ここで多くの方の頭に「ハテナ」がついてしまうのは、「どうして複数のカードローンを一度に申し込みしてはいけないの?」という点だと思います。結果がわからないことなのですから、確実にカードローンを利用したいのなら出来るだけ多くのところに申し込んで、金利や利用限度額など自分にとって条件のいいカードローンをセレクトするのが正解…と思いますよね。
確かにそれは間違っていません。引越し業者選びや大型の白物家電を購入するときなど、一度価格を出してもらってから結果を比較して自分に有利に交渉する…というのはよく使われる方法だからです。
「申し込みブラック」って?
「申し込みブラック」とは、「沢山一度に複数のカードローンに申し込んだことで、この人にお金を貸しては危険とみなされて(=ブラックリストに入って)しまう」状態のことです。
一般的にカードローンにおけるブラックというのは
- 借りているお金を期日が過ぎても返済しないまま数ヶ月経過する
- 自己破産で借金をチャラにする
- 自己破産以外の債務整理(任意整理・個人再生など)で借金の額を減らす
主にこのような、借り入れた後の行為によってブラックになってしまうことが殆どです。申し込みブラックの場合はお金を借りるどころか審査さえ受けていない状態でブラックになってしまいますので、最悪お金を一切借りることが出来ないままブラック属性だけいただいてしまう…といった、なんとも散々な状態になってしまう可能性もあるんです。
なぜ申し込みブラックになるのか
申し込みブラックになってしまう理由は「複数の会社に一度に申し込むと、それだけお金を借りなければいけない必死な人」といった印象になってしまうからです。
申し込む側としては「自分がどれだけの利用限度額になるのか、金利になるのか審査してもらわないとわからないんだから複数に申し込むのは当然では?」と言いたくなりますよね…。私自身もそう思うところはありますが、やはりお金に関することはシビアなのか、お金を貸す会社側としては「なんでこんなに沢山申し込んでるんだ…あやしい!」と思われてしまうようです。
なぜ複数の申し込みがわかるの?
A社、B社、C社すべてグループ会社というわけではなく独立している会社なのに、どうして自分が他の会社にも申し込んだのかわかるのか疑問に思った方もいるかもしれません。これはお金を貸す会社(銀行やクレジットカード会社も含みます)はすべて「信用情報機関」というところに登録、あるいは加盟しているからです。
この信用情報機関には、お金を借りている人だけでなくクレジットカードを持っている人、携帯電話を割賦で購入している人などの情報も登録されています。しかもこの情報は登録した会社や銀行だけでなく、その信用情報機関に登録している会社・銀行が閲覧を行うことが出来るんです。
ですので、A社、B社、C社はそれぞれに何もつながりがなくても、申し込んでいる人がその3社にカードローンの申し込みをした場合は情報を閲覧することが出来る…というわけです。
この情報を見るタイミングは各社で違ってきますので、同時に申し込んでもどの会社が最初に登録された情報を閲覧するかわかりませんが、3社目が情報を閲覧する際には他の2社に対して申し込みがあったことがわかります。
それが1社程度であれば問題はないですが、あまりにその数が多いと「これほどまでに必死にお金を借りないといけない何かがあるのか…」と判断してしまい、「申し込みブラック」につながってしまうというわけですね。
日本における信用情報を取り扱っている機関は以下の3つです。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
この3つの機関に登録されている自分の信用情報は取り寄せて閲覧することが出来ます。手数料は少しかかりますが、自分がブラックになっていないかどうか簡単に調べることが出来ますので、複数申し込んだら不利になることを知らずに申し込んでしまった…自分がブラックになっていないか気になる!という方は自分の信用情報を一度チェックしてみてはどうでしょう?
ブラックになるとどうなる?
先ほどからブラックになる、ブラックになると繰り返し言ってはいますが、それではブラックになるとどうなるのか?という点についてお話したいと思います。
いきなりひっくり返すようですが、ブラックというのは通称の言い方であって実際にブラックという属性が存在しているわけではありません。具体的に言いますと、ブラックとはさきほどの項で挙げたような
- 借りているお金を期日が過ぎても返済しないまま数ヶ月経過する(延滞)
- 自己破産で借金を帳消しにする
- 自己破産以外の債務整理(任意整理・個人再生など)で借金の額を減らす
上記の状態になりますと、信用情報に「事故情報」あるいは「異動情報」として登録されます。この2つの情報が登録されている状態がブラックと言われるものです。
そのため、審査に通ったか通らないかにかかわらず沢山申し込みをしすぎると信用情報上で「○月○日にこんなに申し込んでいるのはちょっと危険だな」と判断されてしまうんですね。
ブラックになると借りられない!
実際ブラックになってしまうとどうなるのか…簡単に言うと、「お金を借りるのが非常に難しく」なってしまいます。100%お金を借りることが出来ないわけではないのですが、大手のカードローンを利用することは7割~8割以上無理と思ってもいいでしょう。
大手に限らず、中小の消費者金融でもお金を借りることは厳しいです。個人経営のところであればまだ可能性はあるかもしれませんが、基本的には借りることが出来ないと思っておいたほうがいいですね。ヤミ金なら借りることも出来るかと思いますが、利用は絶対にやめておきましょう。
延滞でブラックになる場合は現在利用しているカードローンの枠がまだ残っていてもそれ以上の借り入れは出来なくなったり(新規借入停止)、現在貸し出している分の一括返済を求められることもあります。
自己破産、任意整理を行った場合も同様で、新規の借り入れは出来ません。まあ、債務整理を行った場合は新たな借り入れはする気にはならないとは思いますが…。
ブラックは一定期間で解除される
一度ブラックになってしまったら一生そのままというわけではありません。個人の信用情報というのは常に更新されているようなもので、一定期間を過ぎると消去されてしまう情報も存在します。その中のひとつがブラック属性と判断される「事故情報」及び「異動情報」です。
「ブラックになってもその情報が消えるなら安心!」と思っている方は甘いですよ。情報が消えるまでの期間は非常に長いんです。
種類 | 登録期間 |
---|---|
入金予定日から3ヶ月以上入金がされていない場合 | 延滞が解消されるまでずっと |
延滞が解消された時 | 延滞解消日から1年を超えない期間 |
延滞などを含む取引情報 | 5年間 |
任意整理 | 5年間 ※CICは記載なし |
自己破産 | 最大10年間 ※KSCは10年、JICCは5年 |
個人再生 | 最大10年間 ※KSCは10年、JICCは5年、CICは記載なし |
新規申し込み等の情報 | 6ヶ月間 |
このように最大10年間はブラック属性として生きていかなければなりません。それと比べると申し込みブラックになってしまった場合は半年でその情報が削除されることがわかります。
もともとブラックではないため、このくらいの期間で情報が消去されるのは当たり前といいますか、利用する側としてはもうちょっと期間が短くてもいいかな…と思ってしまいますね。
申し込みブラックにならない為に
なんだかんだでブラックになってしまうと色々と面倒だな…ということは伝わったでしょうか。それでは今度は申し込みブラックにならないためにはどうすればいいのでしょうか。
- 申し込む会社は2つか3つに抑えておこう
- 一度否決されたら次の会社に申し込む
- 確実性を求めるなら消費者金融を狙う
このあたりが申し込みブラックにならないためのポイントになります。詳しい解説は以下に記載しました。
申し込む会社は2~3社に抑える
出来るだけいい条件でお金を借りたい!その気持ちはとてもわかります。誰だって悪い条件でお金を借りたいなんて思いませんよね。そのためにも自分が「ここだ!」と思えるようなカードローン商品を少しずつ絞っていきましょう。
最終的にはできれば2つ、それでもちょっと無理なら3つくらいまでなら問題ありません。さすがに4つ、5つとなってしまうと申し込みブラックになってしまう可能性が高くなりますので「最高3つ」、自分が借りたいと思えるところを選びましょう。もちろんここでしか借りたくないと思える1つの会社でもOKです。
否決されたら次の候補に申し込む
同時に申し込むのがちょっと怖い…という場合は、第1候補~第3候補という形で順番をつけましょう。そして、まずは第1候補にのみ申し込みます。その結果審査に可決したならそのまま利用すればOKですし、もしも残念ながら否決となってしまった場合は第2候補に申し込みましょう。
同じ日に複数のカードローンに申し込むよりも、日が空いているほうが「ああ、否決で次に申し込んだんだな」という判断になりやすく、申し込みブラックになりにくい効果がありますよ。
もし、2件目も否決になってしまった場合は申し込みブラックだけではなく何かしら属性に問題があるのかもしれません。一度信用情報を取り寄せてみるか、もう少し間をあけてから申し込むようにしてみてはどうでしょうか。
確実性を狙うなら消費者金融を
カードローンには銀行が出している商品の「銀行カードローン」、消費者金融が出している「消費者金融系カードローン」、クレジットカードなどを発行している信販会社が出している「信販系カードローン」があります。
この中で一番審査が厳しいのが「銀行カードローン」と言われています。現在ではこの銀行カードローンの審査を消費者金融が行っていることも多いため、一概に一番厳しいと言えないところではあるのですが、消費者金融のカードローンに比べると金利も低く設定されているためか、審査が厳し目の傾向にあります。
ですので、確実に借りたいという点を重視するのであれば消費者金融系カードローン、もしくは信販系カードローンに絞って考えてみるというのも手なんです。もちろん消費者金融や信販系の中でも審査が厳しい、甘いというのは多少ありますがすべて銀行カードローンを候補にするよりも可決する確率が高いのではと考えられます。
カードローン選びも重要
これまで
- 申し込みブラックとはどんなものか
- ブラックになるとどうなってしまうのか
- 申し込みブラックにならないためのポイント
をご紹介してきましたが、そもそも論として「カードローンを選ぶ」ことも非常に重要です。極端な話ですが、年収が一定以上必要ながら金利がかなり低いといった条件が厳し目のカードローンに対し、条件ギリギリで申し込んでも可決する可能性というのは高いとは言えません。
自分にとって借りやすい条件、かつ自分が納得できる金利や利用限度額が確保できそうなカードローンを探すことは申し込みブラックだけでなく、延滞や自己破産などの債務整理に陥ってしまう可能性もぐっと低くすることが出来ます。
とりあえず借りられればそれでいい、では契約した後に後悔してしまうこともあると思います。申し込みブラックにならないためにも、借りた後から「しまった!」と思わないためにもきちんと調べてから利用することが重要です。