専業主婦でも、買い物をするときにクレジットカードを使うことがあると思います。クレジットカードの機能には、大きく分けてショッピング枠とキャッシング枠という二つの機能が付いていて、買い物で利用するときに使うのは、ショッピング枠の方です。
では、キャッシング枠はどういった時に使うのかということですが、キャッシング枠とは、クレジットカードを使ってカード会社からお金を借りる時に使うのです。
(⇒専業主婦と借り入れ利用)
「カード会社からお金を借りるんだったら、買い物の際にカード会社から代金を前借りするショッピング枠とどう違うの?」という疑問がよく聞かれます。
確かに、どちらもクレジットカード会社柄、お金を借りて、期日に返済するという意味では大差ないかもしれませんが、その性質はかなり異なります。
クレジットカードの機能の違い
クレジットカードを利用するときに知っておくこととして、ショッピング枠とキャッシング枠とはどういったものなのかということが挙げられます。
通常、私たちがクレジットカードを利用すす場合、お世話になるのはショッピング機能でしょう。一方、意外と知られていないのがキャッシング機能です。
クレジットカードを契約した時には、ショッピング機能とキャッシング機能の両方がもともと備わっています。
しかし、そのこと自体を知らない人も多く、クレジットカードで何ができるのかということをよく理解しないまま、使っている人が多いのが現状なのです。
ショッピング機能について
クレジットカードといえばこの使用方法と言っても過言ではないほど、クレジットカードのイメージに合っているのがこのショッピング機能です。
ショッピング機能というだけあって、その使用目的は、買い物をした時に現金の代わりにカードを提示して手続きをすることで、現金を支払うことなく商品を購入することができます。
商品を売った店は、クレジットカード会社に代金を請求してお金をカード利用者の代わりに支払ってもらいます。そして、カード会社は、その立て替えた代金を後日、利用者にまとめて支払ってもらうことによって、3者の取引が完了します。
クレジットカードのショッピング機能を利用するときの最大のメリットは、商品を購入するときに現金を用意する必要がないということと、実際にお金を引かれるまでも時間的な猶予を作ることができるという点にあります。
極端な話、クレジットカードさえ持っていれば、財布に現金を入れて持ち歩く必要すらなくなるのです。もちろん、カードが使える店に限りますが、買い物をする時に、予算を考慮しなくて済むというメリットもあります。
キャッシング機能について
クレジットカードについている機能で目立たないのがこのキャッシング機能です。キャッシング機能とは、ATMなどを介して、現金を引き出せることができる機能です。これにはショッピング機能との大きな違いがあります。
ショッピング機能は、買い物の「代金」としての金銭的価値を作るものであるのに対して、キャッシング機能は、「現金そのもの」を引き出すことができます。用途で言えば、キャッシング機能のほうが便利です。
ショッピング機能は、あくまでクレジットカードが利用できる店でしか意味をなさないのに対して、現金を直接得ることが出来るキャッシング機能は、全ての商品、サービスに対応しているとも言えるのです。
キャッシング機能を利用する場合は、ショッピング枠とは異なる限度額が設定されており、それを超えるお金を引き出すことはできません。
この返済は、いつでもすることができ、カードローンに似た性質を持っていると言えるでしょう。キャッシング機能はクレジットカード全般についているものの、とある欠点があり、実際に利用する人があまりいない残念な機能でもあります。
キャッシング機能の弱点
クレジットカードに付随しているキャッシング機能には、カードローンや消費者金融が提供しているキャッシングに比べて何が欠点となっているかですが、その最大の弱点がクレジットカードキャッシング特有の金利の高さです。
通常、消費者金融のキャッシングの場合、50万円以下の借り入れでは、最大でも15%前後の利率に設定されています。これは、利息制限法という法律によって、金利の上限が定められているためです。(参考ページはこちら→制限された利息の上限)
しかし、クレジットカードのキャッシングは、同じ50万円以下の借り入れでも、約18~19%に設定されています。このため、クレジットカードでキャッシングをするぐらいなら、消費者金融のキャッシングを利用したほうが得だという認識が広く知られているのです。(参考ページはこちら→金融業者と借り入れ条件はしっかり比較しておこう)
さらに、返済方法に対しても、クレジットカードのキャッシング返済は、リボルビング払いか一括返済しか選択の余地がなく、一括返済できないほど高額のキャッシングをした場合に、金利で損をする上さらに返済でも損をするという状態になってしまうのです。
主婦とクレジットカードの相性
さて、肝心の主婦とクレジットカードの内容に入ります。ここでいう主婦とは、専業主婦を指します。専業主婦とは、本人が仕事をしておらず、家事を主な仕事としているものを指し、男性と女性両方に該当します。
男性の場合、専業主夫と巷では言ったりしますが、ここでは、その区別はせず、男性女性両方とも「専業主婦」と定義します。
専業主婦がクレジットカードをそもそも持つことはできるのかという話からですが、これは条件を満たせば可能です。
条件とは、配偶者にクレジットカード会社の基準を満たす収入があり、その配偶者の承認を得ることができれば、収入がない専業主婦であってもクレジットカードを持つことができます。
専業主婦のカード使用目的
専業主婦がクレジットカードを持って何をするかといえば、その利用目的はショッピングが大半です。よほど金銭感覚が狂っていない限り、度を超えた買い物をすることはないでしょう。
専業主婦がカードトラブルを引き起こすこと自体、それほどないのですが、クレジットカードの怖いところは、その時にお金が必要ないので、自分がいくら使ったかという感覚がマヒしてしまうところにあります。
そして、その抵抗がより顕著なのが、キャッシング機能です。キャッシング機能を使ったことがある人ならわかると思いますが、クレジットカードでATMからお金を引き出せるのは、とても簡単です。
簡単に現金が手に入るので、その味を占めてしまうと、返済のことよりもお金に困ったらすぐに引き出せるという安心感、というか油断が問題になってくるのです。
主婦にキャッシング枠は必要か?
クレジットカードでキャッシングしたことがない人は知らないことが多いですが、キャッシングとショッピングの時に利用するカード暗証番号は別に設定されています。さらに、カード会社に連絡をして、キャッシング枠をなくしてもらうことも可能です。キャッシング枠を減らした分、利用限度額をショッピング枠に追加することができるため、クレジットカードで買い物しかしないという人は、このキャッシング枠をなくしている人も多いです。
専業主婦がクレジットカードを持っている時にキャッシング枠は必要かという話ですが、筆者の意見としては、「家計の資産管理をする専業主婦でない限り、クレジットカードにキャッシング枠は必要ない」という意見です。そもそも、収入がない専業主婦が何のためにクレジットカードを持っているのかといえば、家族にとって必要なものを購入するときに、持ち合わせがなくて購入できないと言った問題を解消するというのが第一の理由です。決して、本人が欲望のまま買い物ができるようにするためではありません。
キャッシング枠は、クレジットカードの機能の中でも、契約者にかなりの負担を強いるものです。直接の返済義務がない者が気軽に使えるものではないのです。クレジットカードを持つというのは、それだけお金の管理に責任を持たなくてはいけないものでもあります。
主婦が賢くカードを使うには?
では、具体的に専業主婦は、どういった場面でクレジットカードを活用するのが望ましいのでしょうか?収入がある配偶者の目線から考えてみます。
収入がない専業主婦にとって、現金を多く用意するというのは、中々難しいことでもあります。貯蓄を切り崩してお金を用意することができない場合、高額な買い物はまず出来ないといってもいいでしょう。しかし、高額であっても、必要なものはあります。大型家電などはその最たる例です。さらに、配偶者が仕事のために買い物などに行けない場合、配偶者に代わって用事をこなさなくてはいけない場面もあります。
専業主婦のクレジットカードは、こういったケースで本当に役に立つのです。また、クレジットカードには特定の店舗で割引価格でお買い物ができるなどの特典もありますので、家計節約にも役立ちます。
主婦の方におすすめのクレジットカードを紹介した記事もご用意してますので、是非あわせてご覧ください。
専業主婦におすすめのクレジットカード!審査基準までを徹底解説
カードが必要な場面とは?
専業主婦のクレジットカード利用と聞くと、自分の欲しいもののために体よく利用するのではないかという疑念が沸くかもしれませんが、実際のところ、専業主婦であってもどうしても外すことができない出費というのは、確かに存在します。その時に、払うことができなかったときのデメリットと、専業主婦にクレジットカードを持たせることのリスクを天秤にかけ、安心して任せることが出来ると判断した時には、ショッピング枠とキャッシング枠を両方つけたクレジットカードを専業主婦の配偶者に渡すべきです。
重要なのは、私欲のためにカードの無駄に使わないように言い聞かせておくことです。クレジットカードで一番怖いのは、自分の返済能力など関係なく使った分の請求が来ることです。クレジットカードの不正利用がここまで大きな問題になる原因は、この利用限度額が実質収入よりもかなり高額に設定されていることです。
自分ひとりが使うのであれば、収入とカード利用分をよく考えて使うことで抑制がかかりますが、自分が契約したクレジットカードを自分以外の誰かに持たせるというのは、かなりの覚悟を要する行為です。たとえそれが配偶者であっても、クレジットカードというのは、確かに便利なものですが、それだけリスクも大きい代物なのです。(参考ページはこちら→借り入れに関わる危険を自覚しよう)
【参考ページ】
クレジットカードを持つならキャッシング機能も使ってみよう