金融会社での借り入れのトラブルでよく聞くのが“ブラック”とか“ブラックリスト”という言葉。
このブラックリストに名を連ねたブラックと呼ばれる人たちは、今後、すべての金融会社からの借り入れに関して大きなリスクを背負うことになります。
ここではブラックとは何なのか、ブラックになるとどうなるのか。ブラックにならないようにするためにはどうしたらいいのかなど、ブラックに関してのお話をしていきましょう。
そもそもブラックって何?
ブラックとかブラックリストというのは、決して金融業界の専門用語ではありません。金融会社との間で借り入れに関するトラブルを起こした記録が残っている人のことをわかりやすく表現した、いわば“俗語”です。
個人信用情報を知っておこう
銀行、信用金庫、消費者金融、クレジット会社などなど、個人対象の賃金業に関わる金融会社はすべて、個人の借り入れ状況を把握しています。これを知ることができるのは、《個人信用情報》という共通の情報です。(参考ページはこちら→個人信用情報の定義)
この個人信用情報は特定の情報管理機関で保有されていて、その管理機関に加盟している金融会社は、自社での個人融資情報をその機関に記録として情報提供し、同時に他社の情報も閲覧することが可能なのです。
個人信用情報の管理機関は以前は5社ありましたが、現在は3社で管理されています。
《個人信用情報の管理機関一覧》
管理機関名 | 主な加盟会社 |
---|---|
CIC (株式会社シー・アイ・シー) |
消費者金融、携帯電話会社、クレジットカード会社、信販会社、リース会社などが主 |
全国銀行個人信用情報センター | 銀行、信用金庫、信用組合、農協、労金などが主 |
JICC (株式会社日本信用情報機関) |
賃金業、クレジット会社、リース会社、保証会社、金融機関の与信などが主 |
この3機関では本人申告情報、延滞情報、代位弁済など、一部の情報を交流させています。また、3機関で債務整理などの借り入れに関する事故の情報は《CRIN》というシステムを導入して管理しています。
つまり、金融会社で審査を受ける時には、ここでお金に関する身辺チェックがされているということになるわけですね。(参考ページはこちら→審査で見られる場所を再確認)
事故記録=ブラック!?
振り込み忘れや残高不足で引き落としされず、事故記録がつく場合があります。この1回?2回程度のものは、金融会社によっては目をつぶってくれることもありますが、審査基準が細かく設定される場合には事故歴と判断されます。なので、記録がないに越したことはありません。
ただ、何ヶ月も繰り返していたり、何度も悪質な行為があった場合には意図的だとして、どこの金融会社も故意だと判断します。これがブラックと呼ばれる人たちです。この悪質な事故歴に多く名を連ねている人たちを、俗にブラックリストといいます。
ブラックは借り入れができない!
ブラックと呼ばれる人たちが新たに借り入れできないのは、まあ、当然でしょう。だって、借りたお金に対して責任を持たない・持っていないといっているようなものですからね。
履歴詐称もブラックになる
多く借り入れをしたいからと、他社からの借り入れをごまかしたり、あるのに“なし”と報告しようとする人もいます。
また、周囲に借り入れを知られたくないから履歴詐称をしようとするケースや、職場への在籍確認を断る人もいます。
これは全部ダメです。これらの行為もすべて、個人信用情報にマイナスの記録として残ります。これってどういうことだかわかりますか?
これらの行為もまた、ブラック対象となることなのです!
(⇒融資で嘘をつくのは損をする?)
ブラックの状態で申込は危険!?
ブラックになった経験のある人が、ある程度時期が過ぎたから大丈夫だろうと借り入れの申し込みをして断られるというケースがたまにあります。これって、迂闊にやると、自身が損をする結果を招きます。
実はブラックの人が借り入れの申込をすると、返済時ココ歴の記録の上書きになってしまうのです!
つまり「この人は悪質な事故歴があるから、また金銭トラブルを起こす可能性がある」と判断されるからなのです。
事故歴が個人信用情報から消えれば、また借り入れをすることは可能になります。(参考ページはこちら→審査に落ち続けるならブラックを疑うべき?)
ブラック歴があると増額は無理?
ブラックが解除されて借り入れが可能になったものの、しばらく利用している中で、もう少し利用枠を増額してもらえないかと考えるようになることもあるでしょう。
同時に、理由はどうだったにせよ、ブラックを経験した人は増額に対して不安を抱かざるを得ません。人によっては、増額を申し出ることで、せっかく借り入れ出来るようになったのに、契約を取り消されるのでは…と不安になることも。
事故を起こしてなければ問題なし!
一度ブラックになったからと、いつまでもブラックではありません。基本的には7年で記録は消えます。その結果として、新たに借り入れすることができるようになったわけですから、そこは心配しなくてもいいでしょう。
ただ、すぐに増額を申し出るのはやめたほうが無難。増額が可能な時には、融資側から案内がくることもあります。また、増枠希望であれば、ある程度は利用実績が必要です。
増額には信頼関係が必須
増額してもらうには、利用している金融会社との関係性が深まっていることが大事です。
信頼関係を築けている状況とは、以下のことを満たしてる場合にいいます。
- 利用額に関わらず定期的な利用がある
- 延滞や滞納などの返済事故を一度も起こしていない
- 他社での契約もなく長期利用している
過去にブラックだったという事実よりも、現状の年収や利用履歴や返済状況履歴のほうが重要視されます。それでも気になる人は、一度、お客様相談窓口で問い合わせて確認してみては。安心して申し込みはしたほうがいいですからね。
個人信用情報の事故歴をチェック
ブラックになって数年は、どんな借り入れもできません。最低7年はブラックのままです。
しかし、それだけの年数を待っていると、いつブラックから解除されたのかということが、自分では判りづらいところ。
ブラック解除の確認方法
実は以外と簡単にできます。個人信用情報の管理機関に問い合わせするだけ。
「加盟会社以外は閲覧出来ないんじゃないの?」
確かにそうなんですが、自分自身の情報に限り、問い合わせして情報を資料として取り寄せることが可能なのです。もちろん、他人のものを閲覧することはできません。
解除されていないコトってある?
あります。その場合、だいたい自身でしらないうちにしでかしてしまっていることが多いですね。
- ブラックになっているのに借り入れの申し込みをした
- ブラック確定後の返済期間に返済事故を起こした
ブラックになった以上、どこに申し込みをしても利用ができないため、ブラックの状態で申し込みをすると、「事故歴を抱えたまま申込をしてきたため悪質」と判断され、《申込ブラック》としての記録が残ります。
また、ブラックとなって借り入れができなくても、借りた分の返済は続きます。この期間中にさらに返済トラブルを起こすのも悪い記録として残ります。
これは記録を上書きしている状況になっているため、自ら事故歴更新を行っているのです。
ですから、1日でも早くブラックを解除されたいのなら、ブラックになった時から数年は大人しくしていることです。
記録年数はあくまで一般基準
ブラックの記録は7年で解除されるといわれています。しかし、これは確実にそうだといいきれる情報ではありません。
極端に悪質だと判断されれば、さらに長い期間記録が保有されることだって考えられるのです。ですから、一度ブラックになった場合やブラックが疑われる場合には、必ず個人信用情報機関に問い合わせをして、資料を取り寄せて確認することをお勧めします。