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消費者金融から借りるのは危険!?試算から考えられること

「お金を借りなきゃいけないんだけど、消費者金融って危ないよなぁ…」と感覚的に否定している人は、具体的なシミュレーションをしてみましょう。銀行のカードローンとの差額を求める試算は計画的な返済に大きく役立ちます。

また、消費者金融の昔と今、小規模の「街金」と違法な「ヤミ金」の違いを知っておくことで、「消費者金融は危険なのか」を正しく判断することができます。イメージだけではなく、今の消費者金融の状況をきちんと理解しておくことが大切です。(参考ページはこちら→消費者金融と言っても様々なところがあります

そもそも何が「危険」なのか

「消費者金融からお金を借りるのは危険だからやめておいたほうがいい」という事を耳にする(目にする)ことがありますが、そもそも何が危険なんでしょう?

身の危険?金銭的な危険?それとも、もっと別の何かが危ないのでしょうか。それぞれの危険と言われるシチュエーションごとに、昔と今、あるいは数字を使って考えてみましょう。その上で、「本当に消費者金融から借りるのは危険なのか」を判断してみてください。(参考ページはこちら→融資に存在する漠然とした不安

消費者金融の取立て行為は怖い?

最初に考えられるのは、「身の危険」です。乱暴な言葉での取り立て、自宅や会社へやって来て大声で怒鳴り散らす、近所迷惑もなんのその…。そんなイメージを持っている人は今もいるでしょうか。

2005年前後までは、そのような督促(取立て)が多数あったのは隠しようのない事実として存在します。ニュースやワイドショー番組で大々的に取り上げられ、社会問題として国会で議論される程の重要課題になったのも、30~40代以上の皆さんには記憶にあるかもしれないですね。

では、今はどうなのかというと、過去の事実を踏まえて法律が改正され、まるで学校の規則のような「過剰な取立て行為の禁止事項」が法律で明文化されています。その内容は…

    取立て行為の規制(貸金業法第21条抜粋)

    人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活もしくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

  • 正当な理由なく、午後9時~午前8時の間に電話やFAXを送信したり、居宅を訪問すること
  • 弁済(返済)があったり、連絡があったり、連絡を受ける時期を申し出ているとき、それが社会的に理不尽でなければ、時間帯に関係なく電話やFAXを送信したり居宅を訪問すること
  • 正当な理由なく、勤務先をはじめとする居宅以外の場所へ電話やFAXを送信したり、電報を送ったり訪問したりすること
  • 居宅や勤務先などを訪問したとき、退去するよう意思表示をされても退去しない(居座る)こと
  • 貼り紙・立て看板など方法を問わず、借入れに関することや私生活に関することを顧客以外に明らかにする(言いふらす)こと
  • 他から借りて返済資金を調達するように要求すること
  • 返済義務のない人(本人や保証人以外の人)に、代わりに返済を要求すること
  • 本人や保証人以外の人が、本人の居所や連絡方法を教えたり、取立てへの協力を拒んでいるのに、更に協力を要請すること
  • 弁護士や司法書士に処理を任せたり、裁判所に手続きをした顧客に、返済を要求したり、顧客から直接要求しないように言われて、更に返済を要求すること
  • 顧客に対し、上のような措置をとるぞ、と告知すること

日本には数え切れないほどの法律が存在しますが、ここまで具体的な言動を設定しているのは非常に珍しいことです。それだけ、過去の消費者金融は利用者に対する取立て行為に問題を起こしていたことが解りますが、今はこのように法律によって規制をかけられています。

正しく利用していれば問題はない

この取立て行為の規制は、「返済をせず、連絡もして来ず、更に連絡も取れない」ような、客観的に見て明らかに悪質な利用者でさえ、法律によって守ってもらえる規定であるということです。ですから、契約を守って正しく利用している普通の顧客にこのような言動をしてくることはありません。

つまり、「身の上に危険が起きるのではないか?」という意味での危険は、今の消費者金融を利用する上では有り得ないことなんです。まして、正しく利用をしている優良顧客に対して身の危険を感じさせるような言動をしないのは、言うまでもないですよね?

金銭的に危険?

消費者金融からお金を借りると、利息だけでもガッツリ持っていかれるというイメージを持たれている人も多いでしょう。しかし、それも昔の金利をそのまま今に当てはめているのではないでしょうか。

昔(2010年以前)は、最高でも年利29.2%まではグレーゾーン上限として通用していました。しかし、今は元本額あるいは限度額によって、上限金利は3段階に設定が変わっています(利息制限法第1条)。

元本額 金利上限
10万円未満 年20.0%
10万円以上100万円未満 年18.0%
100万円以上 年15.0%

かつてあった最高年利29.2%という契約は、今では最高でも20.0%(元本10万円未満の場合)までとなりました。この数字がどれほどの額になるのかは、後からシミュレーションでご紹介しますが、消費者金融だからべらぼうに金利が高いという時代ではなくなっていることは確かです。

借金グセがつくから危険?

これは消費者金融に限った話ではありません。特にカードローンは、お金を借りるということに慣れてしまい、「借金も自分の財産のうち」という錯覚に陥ってしまうことの危険性が指摘されています。

しかし、これは消費者金融だから危険というのではなく、利用者側の意識による部分が大きい問題です。カードローンは銀行などでも商品化されていますから、消費者金融だけが危険なわけではありません。

将来のローンにとって危険?

「危険」という言葉が適当かは別にして、将来住宅ローンや新車をマイカーローンで、と計画している人には、消費者金融からの借り入れが問題視される恐れがあることは覚えておくべきでしょう。

金融機関によっては、審査時点の残額だけでなく、過去の利用歴ですら審査落ちの原因にするとも言われているので、将来を見据えた計画的な利用をする必要があります。もちろん、消費者金融だけでなく、銀行のカードローンなども同じですが…。

消費者金融の利息をシミュレート

「消費者金融は利息が高いから危険」というイメージは、実際にシミュレートしてみることで危険かどうかを判別することをお勧めします。算出された金額が危険か安全かは個人の金銭感覚で判断してください。

返済の方法を知ろう!

「利息の計算」と言っても、その計算方法はひとつではありません。返済にもいくつかの方法があって、その方法によって、利息の計算方法も金額も変化します。

ここではよく使われる2種類の方法をご紹介します。1つは「元利均等方式」、もう1つは「元金均等方式」と呼ばれています。

    (元利均等方式の特徴)

  • 元本と利息の合計返済額が毎回同じ
  • 返済額から利息を引いて、残った額が元本の返済となる
  • 毎月同じ額の返済なので、計画を立てやすい
  • 元本が多いと利息分が多くなり、中々元本が減らない

「毎月1万円」というのがコチラの方式です。多くのローン商品が、こちらの返済方式を採用しています。

    (元金均等方式の特徴)

  • 元本の返済額が毎回同じ
  • 元本返済額は一定だが、利息をプラスして返済しなければならないため、毎月の返済額が異なる
  • 毎月返済額が異なるので、計画を立てにくい
  • 元利均等に比べると、元本が毎月確実に減る設計になっている

「元利均等」は「返済額が同じで、そこから利息分と元本分に分ける」方式で、「元本均等」は「元本分の返済額は同じで、それに利息分を上乗せして支払う」方式ということです。

会社によって、また、ローンによって返済方法が異なっていますので、借りるときには返済方法もしっかりチェックしておきましょう。この記事では、多くのローンが採用している「元利均等方式」で、この後シミュレーションをしていきます。

銀行のカードローン相場と比較

では、いよいよ計算です。比較材料として、一般的な銀行のカードローンが設定している金利(年14.6%)での計算もしてみますので、その差について考えてみてください。

【その1】借入金額10万円、30日おきに1万円返済の場合

金利 14.6% 18.0% 20.0%
返済回数 11回 11回 11回
返済総額 107,183円 109,029円 110,148円

【その2】借入金額30万円、30日おきに1万円返済の場合

金利 14.6% 18.0%
返済回数 38回 40回
返済総額 374,174円 399,517円

【その3】借入金額50万円、30日おきに2万円返済の場合

金利 14.6% 18.0%
返済回数 30回 32回
返済総額 598,042円 628,973円

【その4】借入金額100万円、30日おきに3万円返済の場合

金利 14.6% 15.0%
返済回数 43回 44回
返済総額 1,284,762円 1,295,849円

いかがでしょうか。10万円、30万円、50万円、そして100万円を借りた場合の比較ですが、「危険」と言うほどの差を感じられたでしょうか。銀行のカードローンで多く見られる「年14.6%」と金利上限との比較が主になっていますが、イメージよりも差は感じなかったという人も多いでしょう。

借入れは直感だけではダメ

誰でも、「借りるなら消費者金融より銀行がいい」と思うでしょう。しかし、その多くは「消費者金融は金利が高いから危険」といったイメージによるものでしょう。勿論、金利の低い銀行のカードローンを利用できるのは魅力的ですが、急ぐときや銀行で審査落ちしたときには消費者金融を利用することになるでしょう。

そのときに、「危ないかなぁ…」と不安に思うよりも、きちんと計算をした上で、「これくらいの差で利用できるならOKかな」と安心して申込みをした方が、精神衛生上もいいことでしょう。

住宅ローンやカーローンとの関係

将来的に危険なものとなる可能性としては、住宅ローンや大きい金額の自動車ローンを組もうとするときの審査に及ぼす影響が挙げられます。先にもチラッと触れましたが、金融機関によってはその履歴自体を嫌うところもあると言われていますので、予定がある方は要注意です。

大口融資で知っておくべきこと

消費者金融や銀行からの借り入れといって、「カードローン」が思い浮かばない人はいないでしょう。消費者金融の大手がメインにしている融資方法でもあり、銀行なども個人向けカードローンを取り扱っていない所はないくらい、キャッシングのメジャー商品になっているのはご存知の通りです。

しかし、このカードローンという借り方には気をつけなければいけないことがあります。特に住宅ローンや自動車ローンなどで大口融資を受けようと予定している方は、この「気をつけなければいけないこと」を絶対に見落としてはいけません。

それは、「借り入れ残額がなくても契約自体が継続しているかもしれない」ということ。カードローンの特徴は、「契約期間内ならいつでも限度額までのキャッシングができる」ことです。なので、完済しても契約は残ったままになっていて、自分から申し出なければ、契約も自動延長になっているのがポイントになります。

大口融資を受けるときは、他社借入がないだけでなく、「他社との契約が残っていない」ことも重要な審査項目になっていることを忘れてはいけません。カードローンの限度額やクレジットカードのキャッシング枠が審査に影響を与えることはよく知られていることでもあります。

解約後も5年は信用情報に残る

大口のローンに申込みをする直前に解約すれば問題ないという考えも、ちょっと危険だったりします。カードローンでも住宅ローンでも、審査では「個人信用情報」が資料として取り寄せられますが、他社からのキャッシング契約については、契約終了(解約)後も最長で5年は情報が残るとされています。

つまり、過去の契約も完全に消すことを目指すのであれば、最低でも申込みの5年前にはローン契約を解除しておかなければいけないわけです。これについては、銀行からの借り入れよりも、消費者金融からの借り入れ履歴の方が厳しい目で見られるとされていますから、審査で危険視されないように契約の解除をする必要があります。

「街金」は「ヤミ金」ではない

最後に、消費者金融の中でも小規模で、「街金」と呼ばれている会社について触れておきましょう。よく「街金=ヤミ金」と勘違いしている人がいらっしゃいますが、その解釈は間違いです。

「街金」と「ヤミ金」の違い

では、「街金」と「ヤミ金」の違いは何でしょうか?それは、きちんと届け出をして営業している正規業者か、届け出をせずに違法な営業をしているかという手続き上の違いから、その違いを見出すことができます。

「街金」は言い換えるなら「その街だけで営業している小さな消費者金融」です。大手や中堅の消費者金融と同様、貸金業者として営業をするために必要な「貸金業登録番号」を持っています。つまり、「街金」は合法な正規業者なんですね。

一方、「ヤミ金」は「闇の金融屋」ですから、消費者金融としての届出などはしていません。正規業者ではありませんから、金利や督促などのルールを守ることはしないのが圧倒的多数です。最近は合法金利で『営業』している「ソフト闇金」というのもありますが、それでもいつ豹変するかわからない違法業者であることに変わりはありません。

甘い言葉は危険だと思え!

小規模消費者金融の特徴は、他で断られたり、過去に事故歴(破産や自己再生など)のある人が選ぶ業者であるということです。初めての利用で、大手や銀行を選ばずに、街金を選択する人はまずいないでしょう。何かしらの事情を抱えている人の頼みの綱と表現すれば解りやすいでしょうか。(参考ページはこちら→ブラックでも期待できる借入先

事情を抱えた人の需要が多いことから、「柔軟審査」とか「他社で断られた方もご相談ください」というキャッチコピーが目立ちますが、決して「100%融資」とか「誰でも必ず」といった言葉は使いません。大手でも小規模でも、必ず審査を行うことになっていて、貸してあげたくても貸せない(法規制に引っ掛かっているなど)人へは融資できません。

「100%」「必ず」「誰にでも」「無審査で」などの甘い言葉を使っている所は、まず間違いなくヤミ金です。そして、この甘い言葉に乗ってしまうのが、最も危険な借り入れ方法であることは忘れてはいけません。正規の消費者金融とヤミ金とでは、危険度も大違いです。どんな状況にあっても、違法な業者には手を出さないように気をつけましょう。

【参考ページ】
危険な金融業者を見分けるには

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