必要度や緊急度、そして性格によっても違いはありますが、誰でもキャッシングを断られたら気分がいいものではないでしょう。「何で自分が断られるんだ!」と憤って気持ちの整理がつかない方も少なくないと思いますが、怒っても審査結果は覆るものではありませんから、冷静に何がいけなかったのか分析し、次の申し込みに活かすのが得策です。(参考ページはこちら→融資の審査落ちは良くある事?)
「心当たりがないから怒ってるのに、何を分析しろと言うのだ!」とお考えの方。これからお話する項目をチェックしてみてください。ひょっとしたら、「あ!これか!!」と思い当たる事が発見できるかもしれませんよ?
過去のキャッシングが残っている
まずは、過去のキャッシングに対する自己分析方法です。既に完済している物も含めて、思い返しながら読み進めてください。
『完済=解約』とは限らない
カードローンを利用していた方にありがちな勘違いとして、「完済したから契約も終わった」と思い込んでいる点があります。借入残高が0円になったことで、契約も自動的に終了、解約になったとカードを廃棄してしまったことはないですか?
カードローンの場合、「完済しても契約期間内であれば何度でも借り入れをすることができる」のはご存知でしょう。しかし、「契約期間が終了しても、双方に解約の申し入れがない場合は自動延長する」という規約になっている点を知らない方が非常に多くいらっしゃいます。
「完済した後、契約期間の終了まで新たに借り入れをしなければ、契約も終了になって使えなくなる」というのは大きな勘違いで、本人の頭の中でだけ「過去の契約」になっている可能性があります。
審査に影響するのは『限度額』
自分も相手も契約の解除を申し出ない限り、年齢上限に達していなければ自動的に期間が更新されるカードローンを利用していた場合、「審査の対象になるのは借入残額ではなく、利用可能額(いわゆる限度額)」だということは知っていなければいけません。
(⇒融資の年齢制限はしっかりと覚えておこう)
残っていた契約をどうするか
「じゃあ、解約したと思っていたカードローンをまた利用できるんじゃないか?」と気づかれた方はいらっしゃいますか?もし、カードを破棄してしまっていたとしても、再発行の手続き(手数料はかかりますが)によって、再度利用することも可能です。
ただし、引越しや転職をしていて届出をしていなかった場合には、それらの手続きも必要になりますし、収入やお勤めの状況によってはそのカードローンも利用不可にされるおそれは残っていますので、必ず利用できるとは限りません。
残っている契約を利用できれば言う事なしですが、金利面などでより有利な新規借り入れを希望するならば、しっかりと解約の手続きはしなければいけません。既存を取るか、新規を取るかは条件や環境次第ですので、よく考えて手続きを行なってください。
クレジットカードのキャッシング
実際に借りている方には馴染み深くても、利用したことがなければ存在すら気づかないのが、「クレジットカードのキャッシング枠」です。クレジットカードにショッピング枠とキャッシング枠があることはご存知のとおりですが、実際自分のクレジットカードにいくらのキャッシング枠がついているのかを知らないという方も多いんです。
キャッシング枠の仕組み
クレジットカードを発行している企業は沢山あり、業種も様々ですが、銀行が直接発行している物以外は、消費者金融からお金を借りているのと同じ法律が適用され、借入限度の上限規制にも影響を及ぼします。
金融機関本体以外が発行するクレジットカードのキャッシング枠は、「貸金業法」という法律によって設定・利用する事ができます。この法律には、「個人に設定できる貸付金額は、全社合計で年収の1/3まで」という規制が設けられています。
ちなみに、銀行本体が発行するクレジットカードの場合は、「貸金業法」の適用を受けないので、「全社合計」には含まれません。一方、銀行で作ったクレジットカードでも、銀行本体ではない発行元のものがあり、それは「全社合計」に含まれる(貸金業法の適用を受ける)ことになるので注意が必要です。(参考ページはこちら→銀行からの融資ってどんなもの?)
使わないキャッシング枠の対処法
クレジットカードのキャッシング枠は、電話一本で限度額を0円にすることが可能です。その枠を利用するのも選択肢の一つとなりますが、ショッピングだけで利用するつもりなのであれば、キャッシング枠は0にしてしまうのもいいでしょう。
過払い金返還請求の影響
過去に過払い金返還請求をしている方も、場合によっては審査に悪影響を与えることがあります。「払いすぎたお金を返してもらうのに、なにが悪影響なんだ?」と思われるでしょうが、返還後に借入残額が存在するかしないかで与える影響も変わってくるものなんです。
和解後に借入残があったら要注意
過払い金返還請求というのは、かつて存在したグレーゾーン金利(違法なんだけど違法じゃない扱いになっていた金利)で多くの支払いをしてきた人が、払いすぎていた部分を返してもらうように請求をすることをいいます。
借入先(消費者金融など)との和解によって、お金が戻ってくるイメージがあるかと思いますが、必ずしもお金が戻ってくるとは限りません。状況によって下の表のように取扱いが異なっています。
返還後の残債 | 信用情報に与える影響 |
---|---|
なし | 影響なし(完済扱い) |
あり | 債務整理扱い(事故扱い) |
「信用情報」というのは、その人の借り入れに関する情報のことで、キャッシングだけでなく、分割払いのショッピングなどがきちんと支払われているかなども登録される、『お金に関するその人の信用度』の情報です。
過払い金が返還された時、残債がなくなる場合は問題ないのですが、返還されても残債があり、返済を続けることになった場合は「債務整理をした」という情報が登録されることになります。
過払い金返還請求の思わぬ落とし穴でもある部分で、「そんな事になるなら、もっと後からアクションを起こせば良かった」と後悔する人も多い事柄です。もし、過去にアクションを起こされた経験があったら、この部分も振り返って考える必要がありますよ。
その他考えられる項目
過去の取引や過払い返還請求など、本人の思っていることと審査の資料となる情報の間に食い違いがあることをご紹介してきましたが、その他にも「こんな事はなかったか」と振り返っていただきたい項目を下の囲みにまとめてみました。どれも難しく考えることではないので、次の申し込みでの参考にしてください。
- 申込書への任意記入項目が少な過ぎていなかったか(情報量の欠如)
- 電話番号等を書き間違え、審査に影響が出た(イージーミス)
- 就職・転職、転居して間もない(返済能力を疑われた)
- 職場への在籍確認ができなかった(職場の電話応対次第)
いずれも申し込みから審査の段階における問題で、自分で改善できることが多くあります。職場への在籍確認では、電話応対した職場の人の言い回し(「いません」「知りません」のような、個人からの電話につっけんどんな回答しかしない場合など)も影響しますが、普段の会社の雰囲気などから善後策を練ることもできるでしょう。
これら7つの項目に思い当たる点が見つかったら、次の申し込みをする前にしっかりと改善をしましょう。そのまま申し込みを続けて断られる回数が増えると、今度は断られた事自体が問題の「申し込みブラック」になってしまう危険性もありますから、しっかり自己分析することを最優先に行なってください。