消費者金融で借金をすると、それに対して返済をしていかなければいけません。ただ、どう頑張っても返済出来ないという事態が起こることもあります。借金が返済できなくなることは、自分で防ぐことが出来る場合もありますが、どうしようもない場合もありますよね。(参考ページはこちら→融資返済を延滞してしまう理由)
そんなとき、借金がなくなる方法があるとしたらどうでしょうか。その借金を完全にゼロにすることが出来る、返済金額を少なくすることが出来る、そんな方法があるんです。もちろん、そのためには手続きが必要ですし、それなりにペナルティのようなものもあります。万が一の時に対応できるよう、把握しておくと良いでしょう。
借金をゼロ、または減額する方法
消費者金融で作ってしまった借金、それを返済することは義務ですがどうにも返済できなくなってしまう状況は起こり得ます。もちろん、そうならないように注意すべきですが自分の力でどうしようもない場合だって出てくるかもしれません。いくつか例を挙げてみましょう。
- リストラなどによる失業
- 病気、怪我で仕事が出来なくなる
- 勤務先の方針等で収入が減少する
これは自分で防ぐことは難しい状態ですが、このような状況になってしまうと今まで問題なくすることが出来ていた借金返済が出来なくなってしまうかもしれません。消費者金融と相談して利息分のみの返済を続けさせてもらうという手段を取ることも出来ますが、やはり長く続くと厳しくなってくるでしょう。
収入が復活する可能性が低く、借金返済をしていたら生活が困窮してしまう、そんな状況に陥ってしまった時に選択することが出来る方法があります。それが債務整理です。債務整理は方法によって借金をゼロにすることが出来る、金額を大きく減らすことが出来るというものです。
これらの方法は誰でも簡単にすぐ出来る、というものではありませんが、手続きをしっかりして条件に合致していれば行う事が出来るようになっています。その中で自分にとって良いと思う方法を選択すると良いですね。
それぞれの方法の特徴
では債務整理にどのような方法があるのか、そしてそれぞれどういう特徴があるのか比較してみましょう。
方法 | 整理後の金額 | 特徴 |
---|---|---|
任意整理 | 話し合いをして和解した金額 | 債務者が債権者との交渉によって決定 返済期間は3年程度が目安 個人でも交渉できる |
特定調停 | 金利の引き直し計算後の返済額を 3年程度での分割で返済する |
簡易裁判所の調停委員が入る 金額は債権者との相談によって決定 |
個人民事再生 | 3年程度で返済できる金額 (借金額の5分の1又は100万円の多い方) |
自営業者が対象の小規模個人再生 給与所得者が対象の給与所得者再生がある |
自己破産 | ゼロ | 強制的に財産を金銭に変えて 不足分の返済をゼロにする 裁判所での手続き |
個人が消費者金融と話し合いをして減額を決めることが出来るのは任意整理だけですが、実際は素人が交渉をして認めてもらう事が出来るケースは極めてまれなものとなっています。ですから、司法書士や弁護士など専門家に依頼をして手続きを進める方が無難でしょう。
その方法は1つではありません
どの方法を取るか、その選択が重要です
債務整理の中で借金がなくなる方法は自己破産です。ただし、自己破産をするときには今ある生活をそのままで借金額をゼロにすることは出来ません。そして、自己破産は同時廃止と管財事件の2つに分かれていて、破産の内容が変わってくるんですよ。
同時廃止と管財事件の違い
同じ自己破産でも種類が違う事で手続きやその後の生活に関わってくる支障が異なってきます。
種類 | 財産の有無 | 破産後の制限 | |
---|---|---|---|
同時廃止 | 金銭に変えられるような財産なし | 申立人の財産はそのまま 一時的な破産者としての制限があるのみ | |
管財事件 | 金銭に変えられる資産がある | 債権者に金銭が渡るまでの間 郵便物の転送、海外旅行禁止などの制限有 期間が長く費用もかかる |
同時廃止の方が短期間で手続きが終了し、借金から逃れることが出来るということにはなっていますが、もし金銭に変えることが出来る資産を隠していた場合は刑事罰対象となってしまいます。自己破産を行うまでの段階に来てしまった人は、基本的に持っている資産をすべて打ってしまった後という事も多いため、自己破産者の9割が同時廃止になるというデータもあります。
どの程度の資産があれば管財事件になってしまうのかですが、現金は99万円以下であればそれは手元に残しておいても良いとされています。これは、自己破産後の生活を守るための処置ですね。資産というのは、現金、普通預金以外で20万円以上の価値があるものと考えておくと良いでしょう。ただし、気をつけておかなければいけないのは定期預金は資産として計算される為、20万円を超えてしまうと資産扱いとなる点です。
自己破産にも種類があるということはしっかり理解しておきたいですね。
債務整理をした後のデメリット
債務整理をすれば単純に借金の金額を減らすことが出来るという事ではなく、債務整理をした後に生じるデメリットがあります。債務整理の一番分かりやすいデメリットはブラックになってしまうという点でしょう。ブラックになってしまったら、最低5年間はクレジットカードやカードローン、住宅ローンなどの借金申し込み審査にと折らなくなってしまうという事は覚悟しておきましょう。(参考ページはこちら→ブラック期間は一生ではない?)
ブラックはどの債務整理をしても登録されてしまうものです。きちんと返済することが出来なかった、完済することが出来なかったという点では、一部だけ返済し任意整理や民事再生と借金をゼロにしてしまった自己破産はイコールになるんですね。債務整理は返済する側は負担が軽くなりますが、貸した側にとってはマイナスでしかないということをしっかり考えておきましょう。
また、自己破産に関しては職業にも制限が発生してきます。自己破産後は下記の職業で一時的に働くことが出来なくなってしまいますので注意しておきましょう。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 宅地建物取引主任者
- 質屋
- 警備員
- 建設業者
- 公認会計士
ただ、ずっとその職業で働くことが出来ないという事ではなく免責が確定するまでの一時的なものです。免責確定後はまた働くことが出来ますが、数か月働けないという事になれば職場の人にばれてしまう恐れがありますよね。これもデメリットの1つでしょう。
特定調停をすることのデメリットもあります。
- 債権者ごとに手続きをしなければいけない
- 平日に簡易裁判所に行かなければいけない
- 3年以内で返済できなければ特定調停をすることは出来ない
つまり、特定調停をするのであれば債務整理を考えている消費者金融が少なく、平日に比較的時間を取ることが出来る人、そして返済を3年以内で出来るような金額であることが条件になってくるという事ですね。自分で手続きをするのが基本になりますから、比較的費用を抑えることが出来るという点はメリットですが面倒だという点がデメリットだとも言えます。
借金に悩んだらまずは相談
借金の返済が出来なくなってしまった時、まずは悩まずに相談をすることが大切です。専門家に相談することで、自分がどの方法を選べばよいのかアドバイスをもらう事が出来ます。そのまま手続きの手伝いをしてもらう事も可能です。借金の悩みは1人で抱えていても打開できるものでは無いという事は確かですので、速やかに相談するようにしましょう。
どこに相談したら良いのか分からないという人は、まず自治体の無料相談を利用してみると良いでしょう。定期的に法律相談を実施している自治体は多いですし、借金問題に特化した相談会を開催しているところも少なくありません。直接行くのが抵抗ある、人に相談している姿を見られたくないという事であれば、電話相談をしているところもありますので一度調べてみると良いでしょう。
弁護士事務所でも無料の相談を受け付けてくれているところがありますし、メールや電話でも相談可能というところもあります。夜間に対応しているところも増えてきました。だいぶ相談しやすい環境は整ってきているんですね。
速やかに相談すれば早く解決できます
無料相談をぜひ利用して下さい
個人を特定する情報を伝えなくても、初回の相談をすることは可能です。時間がたてば解決するというものでは無い借金返済問題は、いかに速く解決するかという事が重要だということを認識しておきましょう。
【参考ページ】
お金が返せなくなる時点でブラックを覚悟しよう