ちまたでは利用者が増えているとも言われている「キャッシング(カードローン)」。昔は消費者金融がCMをしている程度でしたが、最近では大手の銀行から地方銀行、信用金庫に至るまで様々な金融機関がカードローンのCMをうつようになりました。(参考ページはこちら→どれくらいの金融業者が存在しているのか)
今ではうまくキャッシングやカードローンを利用してマネーライフを充実させることも珍しくなく、あまりカードローンの利用に抵抗がない人も増えてきたように思います。とはいっても、キャッシングやカードローンはプリペイドカードのように利用したいと思ったらすぐ利用できるというわけではありません。
身近になったとはいえお金を借りる行為ですから、きちんとその人はお金を貸すにふさわしいかどうかの審査があります。その審査が面倒、落ちてしまうのが怖い…という方もいます。そのような方がつい惹かれてしまうのが
- 誰でも簡単に借りられるキャッシングはここ!
- どんな人でも審査に通るカードローンがあります
- 絶対にお金を借りられるカードローン!
といった謳い文句のインターネットの記事やサイトです。正直いうと、そんな誰でも審査に通ってしまうようなザルなキャッシング・カードローンはない!と言い切ってしまいましょう。
どうして誰でも審査に通るキャッシングがないのか、そして自分がキャッシングの審査により通過しやすくするためのポイントは何かを今回の記事ではご紹介します。
誰でも審査が通るところはない?
冒頭にお話した通り、誰でも審査に簡単に通れるカードローンというのは存在しません。いや、探せばもしかしたら世界に1つや2つくらいはあるのかもしれません…。が、いわゆる「正規の業者」ではないと言い切ってしまってもいいと思います。
正規の業者というのは消費者金融であれば「貸金業」として登録してる会社、銀行であれば「銀行業」として登録している機関のことです。それらの登録を行っていない非正規業者、いわゆる「ヤミ金」であれば誰でも簡単に審査に通れるかもしれません。
しかし借りることが出来ても金利が法外ですし(違法の業者なので当たり前ですが)、法律によって規制を受けていないため思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性も否定できません。最近は昔のドラマで見たような貸金業者は殆どないとは思いますが、取り立ての電話が多くくる、会社に連絡がくるなどの可能性は十分ありえます。
なぜ誰でも審査に通るキャッシング・カードローンがないのか、その大きな理由はこちらです。
- 人によって属性が違う
- 会社によって審査基準が違う
非常にシンプルな理由ですが、持つ意味合いはとても大きなものになっています。同じ環境にいる人は多いですが年齢や住んでいるところ、勤続年数など細かいところが変わってくることも多いですし、しかも申し込むカードローンやキャッシングの会社によってその審査基準も少しずつ変わってきます。そうなると「万人が必ず審査に可決できるカードローンなんてない」ということがなんとなくでもわかるのではないでしょうか?
いうなれば、パターンが多すぎるためある程度のポイントを抑えることは出来ますが、それがすべてのカードローンに対応しているかどうかもわかりません。ですので、誰でも…というのはありえないんです。
審査に大きな影響を与える属性
まずは属性について解説します。属性とは一言でいうと、その人そのものです。人は自己紹介をするときに「自分の名前」、「年齢」、「職業」、「住んでいる都道府県」、「好きなもの」…などの簡単なプロフィールをもって自己紹介としていますよね。
属性もそのようなもので、その人自身のより詳細なプロフィールなんです。
いわゆるわたしたちが「プロフィール」と認識するような項目である
- 氏名
- 住所
- 本籍地
- 年齢
- 職業・職種
- 年収
- 電話番号
- 生年月日
などの項目に加えて、
- 年収
- 勤続年数
- 勤務形態
- 居住形態
- 住宅状況
- 配偶者の有無
- 居住年数
- 他社からの借り入れ
といった、非常に細かいところまで「属性」の一部となっているんです。この属性は、キャッシングやカードローンの審査をする上で非常に重要なポイントとなってきます。
属性はどう審査に影響があるのか
審査をする上で属性は「スコアリング」、いわゆる点数付けに利用されます。先ほどずらっと挙げました項目ひとつひとつについて点数が設定されており、プラスの項目として当てはまる場合は点数が加算され、逆にマイナスの項目として当てはまる場合は点数が減算されたり入らないことになります。
主だった項目のプラス、マイナスを少しご紹介します。
年齢
年齢は20歳ギリギリではあまり評価がされません。これだけ若いと収入もあまり高くなく、勤続年数も短いためです。逆に30代~60歳前後まではだんだんと評価が高くなっていきます。勤続年数が長くなり、かつ収入が安定して増えていく時期だからです。
逆に、定年と言われる60歳を過ぎるとだんだんと評価は再度下がっていきます。退職によって収入が年金くらいしかなくなってしまうことが理由です。ただ、60歳を過ぎても働いていてある程度の収入があれば大きく評価が下がることはありません。
職業・業種・勤続年数
こちらはキャッシング・カードローンの審査においてかなり重要な点です。細かい業種まではあまり評価に影響はありませんが、いわゆる「会社員など勤めている人間なのか」それとも「自営業など自分で起業している人間なのか」で大きく評価が分かれます。
こういった審査においては何よりも「安定」を重視しますので、自営業の方よりも会社員の方のほうが評価としては高くなります。特に安定していると言われる大企業であったり公務員の場合は非常に評価が高いです。
キャッシング・カードローンの中には自営業の方は利用できない場合があるくらい、残念ながら自営業は安定しているとみなされません。(その場合、別途自営業者向けのカードローンを用意している会社もあります。)
居住形態や居住年数など
賃貸よりも持ち家のほうが評価はぐっと高くなります。その理由は持ち家がある場合
- 家を購入(建築)出来るくらいの収入がある
- 住宅ローンを組める程度の信用を銀行から受けている
- 持ち家があるため簡単に逃げられない(返済が見込める)
と判断されるからです。もちろん賃貸は持ち家に比べて評価は下がりますが、絶対にだめというわけではありませんので安心して下さい。ただ、居住年数が短い場合(目安は1年未満)や、非常に引っ越し回数が多い場合は借り逃げを警戒されることがあります。
携帯電話と固定電話
最近では携帯電話があるから固定電話は契約していないという方もとても多くなっていると思いますが、ことキャッシングやカードローンの審査においてはいまだに固定電話があることは評価の上で有利になります。評価される順番で言いますと、
固定電話と携帯電話両方ある > 携帯電話のみ > 固定電話のみ >どちらもない
の順になります。さすがにどちらもないということはありえないとは思いますが、連絡先として電話がない場合はお金を借りること自体が出来ない可能性が高いです。
また、なぜ固定電話と携帯電話を比べると携帯電話のほうが評価が高いのかというと、固定電話の場合自宅にいないと連絡を取ることが出来ません。しかし携帯電話であれば基本持ち歩いていますから連絡が取りやすい…という理由です。
他社からの借り入れがあるか
こちらも評価の中では重要なポイントとなるもののひとつです。他社からの借り入れがあると、評価が下がってしまうことがあります。
銀行カードローンでは適用されませんが、消費者金融や信販系のキャッシングを利用する場合、総量規制という仕組みにより利用限度額(貸出額)に制限がかかってしまいます。他社から借り入れている/借入額が多いと審査に通過したところでお金を貸すことが出来ないこともありますので審査に落ちてしまう…というケースもあります。
また、複数社からお金を借り入れているとそれだけお金に困っているのか?という判断をされてしまいますのでこちらは銀行、消費者金融など関係なく評価としてはマイナスに取られがちです。
この総量規制が適用されるのは消費者金融及び信販系のキャッシング・カードローンで、銀行のカードローンには総量規制は適用されません(総量規制の適用外)。
このように、各項目によって評価がプラスになるもの、マイナスになるもの様々です。これらを点数付けして、一定の点数以上であれば借り入れが出来る(=審査に可決する)ことになります。
このあたりはそれぞれの審査の基準によるものですので個性が出るところとも言えます。それが、同じ条件であってもA社の審査には可決してもB社の審査には可決しなかった…というようなバラつきが生まれる要因となっています。
もちろんこのような基準はどの会社も明らかにしていませんので、審査基準がどのようなものかはわたしたちにはわかりようがないのですが…。
審査に通りやすい属性がある?
審査に通りやすい属性というのは実際存在します。この条件を満たしていなければ審査には可決しないというわけではなく、審査に可決しやすくそれでいて利用限度額も高めに設定されやすい「優良属性」のようなものです。
もちろん優良属性といっても延滞していたり、借り入れが多すぎると審査に否決することも十分ありえますので、属性がいいからある程度のことはスルーされるというわけではないことは覚えておいてください。
審査に通りやすいと言われているのはこのような方です。
- 年齢が30代後半~50代
- 安定した職業(公務員や医師、弁護士等)
- 年収が400万~500万円以上
- 持ち家・固定電話がある
- 配偶者など家族がいる
逆に審査に通りにくいのはこのような方になっています。
- 年齢が20代前半、あるいは62~3歳以上
- アルバイトやパートなど非正規雇用・あるいは年金受給のみ
- 年収が低め(200万円以下)
- 一人暮らしで賃貸に居住している
- 勤続年数や居住年数が短い(1年以下)
あくまで「通りにくい」というだけで必ず通らないわけではありませんが、優良な属性の方と比較すると、あまり沢山のお金は貸さない方がいいな…と判断されるのはなんとなくわかるのではないでしょうか。
なかなか優良属性になるのは大変な道ですが、少しでも審査に可決する確率を上げるために出来ることはあります。次からそのポイントを解説しますので、自分の借りたいところから借りられるように工夫してみましょう!
審査に通る確率を上げるポイント
いよいよ審査に通る確率を上げるポイントです。無茶なことも含めれば本当に沢山あるのですが、出来るだけ簡単で効果が出やすいポイントに絞ってリストアップしてみました。
- 勤続年数及び居住年数は1年以上になってから
- 使わないクレジットカードはサクっと解約!
- 契約して放置の他カードローンやキャッシングもしっかり契約終了する
- 申し込む会社は1社か2社に絞る
- 携帯電話料金の延滞にも注意して!
勤続年数・居住年数は1年以上に
居住年数はよほど引っ越しが好きという方でない限り1年は住むのではないかと思いますが、勤続年数はアルバイトやパートの人の場合なかなか1年とはいかないかもしれません。しかし、半年と1年では評価がぐっと変わってきます。3年以上となればさらに評価されますので出来るだけ同じところで勤務しているほうがいいですね。
使わないクレジットカードは解約
クレジットカードをついつい作ってしまうという方も多いですが、クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があります。キャッシングやカードローンを利用する際に重要になるのはこの「キャッシング枠」の方で、この枠が設定されている場合、キャッシング枠の金額分既にお金を借りているのと同じ扱いになります。かつ、キャッシング枠は信販会社が発行していますので総量規制にかかってくるんです。
総量規制によって年収の3分の1が限度になるので、100万円まで借り入れることが出来ます。そのうちキャッシング枠が30万円ということは、カードローンなどでは最大70万円しか借りることが出来ません。
★銀行カードローンの場合は総量規制の対象外なので70万円を超えて借り入れることも可能ですが、大抵の場合はそこまで借りることは出来ません。
もし利用していないクレジットカードにキャッシング枠がついている場合は既にお金を借りているのと同じことになっていますので審査に通りにくくなる可能性があります。キャッシング枠を利用するのならそれでいいですが、利用するつもりがないのであればクレジットカードを解約するか、キャッシング枠の設定を0円にしましょう。
キャッシング枠の設定を0円にするなら、カード会社のホームページやサポートダイヤルに電話することで設定を変更できます。
契約後放置のキャッシングも解約
金利が高いから契約はしたけどもう使っていないというキャッシングやカードローンもさっくりと契約終了してしまいましょう。使わないならそのままでもいいや…と思いがちなのですが、契約は基本的に自動更新されていますのでいつでも利用できるようになっています。
しかし契約が続いている以上、利用はしていなくても枠は取られていますので借り入れがあるのと同じです。新規に借り入れたいところがあるのなら、さっくりと契約終了してしまいましょう。電話やインターネットから退会(契約終了)が行えます。
申し込む会社は1社か2社に絞る
申し込みブラックを防ぐためのポイントです。既に何度か利用されている方はお分かりかと思いますが、一度に沢山の会社に審査の申し込みを行うと警戒されてしまい、「申し込みブラック」状態になってしまいます。
(⇒融資の申し込みは焦らないのが大事)
申し込みした事実は半年間残ってしまいますのでここでミスをしてしまうと半年間お金が借りにくい状態になりますので、ここだ!と思えるところを選んで一点集中で申し込みましょう。1社だと心配という方は2社程度なら問題ありません。
携帯電話料金の延滞に注意
コンビニ払いで携帯電話料金を支払っている方に多いのが、料金未納・滞納をしてしまうことです。一見カードローンなどと全く関係がないように思えますが、端末代金を毎月の携帯料金と合わせて支払っている場合、その端末代金がいわゆる「分割払い」扱いなのでクレジットカードの支払いの延滞と同じ扱いになってしまいます。
なので、延滞が何度も行われていると知らない間にブラック属性になっていることもあります。きちんと毎月の支払いは期日までに済ませてくださいね。